天使はワガママに決まってる
「ねぇ、安曇さん。」
――あぁ、またきた……
本日3回目の”呼び出し”。
エルが来るまで、
私を避け続けてきたくせの女共は
私の雰囲気が最近柔らかくなったからか、
やたらと近づいてくるようになった。
しかもそれは、私への好意を持ったわけではなく
ただエルを狙って、彼とずっと共にいる
私に色々質問してくるだけだ。
……何でエルをあんな顔に作ったんだろう。
「エルくんって、どういう子なの?」
1回目にそんな質問をされたときは
「変な奴。」
とだけ答えて、2回目にまた別の奴がきたとき
「エルくん、甘いものとか好「食べられないよ。アイツ。」
と即行、思いっきり不機嫌な表情で
言い返してやった。
まずエルはロボットなのに。
「何。」
そして3度目。
彼女も前の2人とはまた別で、
学年でも結構モテてる美少女だった。
「エルくんの好きな子のタイプとか
聞いてくれないかなぁ……?」
上目遣いで私を見つめる彼女に吐き気がして、
鋭い視線で睨み下げてやる。
そうしたら彼女は怯んだような
仕草をみせたが、すぐに
再び視線を合わせてきて、顔の前で軽く手を合わせ
「ね?お願い。」と言ってきた。
――この態度で何人もの男が落とされたんだろうな……