天使はワガママに決まってる

ただ誕生日に、孤独ということが怖くて嫌で
少しでも癒すことが出来たら――と願い、
作ったはずの彼が、
今では予想以上に大切で
傍にいてくれないと、不安でしょうがなくなっている。


「エル。」
「何?」
「私……もう、一人は嫌だよ。」


――それは、私が初めて他人に漏らした
真実の言葉だった 。

突然の言葉に少し驚いたような
表情を見せたエルは、すぐに笑顔になって


「うん、約束。僕はずっと傍にいるよ。家族だもんね!」


彼の笑顔が夕日に反射した。

人の闇が見えないロボットの彼は、
きっとその言葉の深い意味も分からなくて。

私の深い思いにも気がつけなくて
ただ純粋に、”家族”としての存在を
まっとうしているだけなんだ。


――また胸がキリリと泣いた
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