天使はワガママに決まってる
笑ってしまった。
笑いが止まらない。
恥ずかしそうに大声で叫んだエルは、
そんな私をきょとんと見つめた。
「大大だーい好き…ね。」
口の中で繰り返す私に、こくこくと頷くエル。
本当に愛しくて仕方がない。
「うん。私も。」
「え?!」
自分でもびっくりするほど、
あっさりとその言葉が出た。
言葉の真意――”愛してる”ということは
伝わらないだろうが、
それを聞いたエルの嬉しそうな顔を見るだけで
もうそれで満足してしまう。
「瀬那も……好き?」
「うん。エルと同じ変な気持ち。」
「本当に?」
「そうだってば。」
すると、みるみるエルの表情が輝いて
いつもの満面の笑みに変わった。
私もつられてフッと微笑む。
「僕、瀬那のこと家族じゃないって思ってるんだよ?!」
その言い方には、正直グサッとくる。
しかし、言いたいことは伝わったので
思わず声を上げて笑ってしまった。
「あはははっ!いいよ。それで。」
――最初は、ありえない想いだった。