天使はワガママに決まってる
二人がかりなのにも関わらず、
永遠子の作った最大級のスイートポテトは
俺の胃に恐ろしいほどに胃もたれを起こした。
けれど永遠子からのプレゼント……という
幸せの方が勝って
俺の表情から笑顔が消えない。
「何?年とって嬉しいの?」
「んなわけあるか。」
あはは、と永遠子は笑った。
両手を後ろについた体勢のまま
俺も永遠子も動こうとしない。
……恐らく、永遠子も動けないのだろう。
その証拠に次の一言。
「今度は、もっと小さいの作るよ。」
俺もつられて吹きだす。
大好物を手作りしてくれたことが本当に嬉しくて、
俺は何度もよろしくと頷いた。
そこで、再び訪れた沈黙。
何かを言いたげな永遠子を
俺は黙って見つめる。
数分粘って、永遠子はようやく口を開いた。
「ま、おめでと。仁。」
――え。