天使はワガママに決まってる
雪を払って、ベンチから同時に立ち上がる。
繋いだままの手の温もりが、
俺から寒さを忘れさせていた。
「……うわっ!仁、じんましん気持ち悪っ!
”仁ましん”とか嫌だ~」
「うるせぇ!」
俺の首筋をみて、永遠子は心底嫌そうに叫ぶ。
その声を聞いて、また寒さを実感してしまい
かゆみが増してきた。
「早く帰るぞ!!」
「ねーケーキ食べようよー」
「…何時か分かってる?」
――随分と遠回りをしたけれど、
きっとずーっと昔から、俺たちの想いは一緒だったと思う。
でも、今繋がったのだから
結果オーライだよな。
今年のクリスマスイヴは、やっぱり涙涙で。
しかしサンタクロースはちゃんと
俺たちに幸せを届けてくれた。
サンタクロースに感謝。
雪の降る公園に乾杯!
「仁っ!~~~。」
「え?何て?」
「もういい!!」
”好きだよ”
ちゃんと聞こえてるよ、バーカ。
end.