眠り姫は・・・男の子!?


キィ…と扉を開けて外の明るさに目を細める。


空には雲ひとつない。どこからか、桜の花びらが風に吹かれてひらひらとコンクリートの地面に落ちる。


一歩、一歩。


ゆっくり歩いて日陰になっている場所に行く。


春のぽかぽかの日差しに涼しい春風。


体育座りしたあたしは額を膝に押し付けて目をつぶる。


目をつぶれば浮かび上がる叶の顔。


怒ったり、笑ったり。優しい顔だったり。


『……ばーか、』


一日中、叶のことを考えてるみたいでだんだんムカついてくる。


こんな風になっちゃうんだったら、好きにならなきゃ良かった…。


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