眠り姫は・・・男の子!?
「見ちゃったぁー」
『もうっ。今のは忘れてよ!!てか見ないでよねっ』
「見えたんだもん♪」
手を離せば、またしてもにこにこと笑ってる男の子。
ぷくっと頬を膨らませ、眉を潜めて見つめる。
「莉愛ちゃん、かわい」
ポソッと小声で呟いた男の子は、トコトコと日陰から離れて柵のところまで行ってしまった。
な、なんなの?
不思議な言動に戸惑いながらも、気になることがあったのであたしは男の子に早足で近寄る。
『ねぇ。なんであたしの名前知ってるの?』
「んー?叶の友達だから知ってるよぉ。よく叶から莉愛ちゃんの話聞くし」
叶が…、あたしの話を?
「ね。好きでしょ叶のことー、僕で良かったら話聞くよぉ」
なんで叶が好きって知ってるんだろ?
そんなことを思ったものの、優しく微笑む男の子にあたしは静かに頷いた。