眠り姫は・・・男の子!?
『かっ、叶!!』
そこには、ポケットに手を突っ込んだまま、変なものでも見るような目であたしを見ている叶がいた。
「サボり?」
『うん、そーだけど?』
「ハッ、なにマセたことしてんのぉ?」
鼻で笑う叶にムッとして言い返そうとしたとき…
『…鍵!?その鍵どうしたの?』
あたしの横を通り過ぎた叶は、普通にポケットから取り出した鍵を使って屋上の扉を開けた。
『ちょっとぉ!!聞いてんの?』
「んだよ、うるさいな」
スタスタと歩いて行く叶のあとを追いながら聞けば、可愛い顔が不機嫌そうに眉を寄せていた。
「優しいお姉サンにもらったのー」
にこーっと口端を上げて可愛く微笑んだ叶。
『お姉サン…?って先輩だよね?』
「そ♪」
ズルい!!
そう叫べば、満足そうに嫌みっぽく笑った叶はあたしに背を向けて歩き出した。
ムカつくー!!