眠り姫は・・・男の子!?
「今日はお菓子だけで我慢しちゃえば?」
『やだよ。お米が食べたいんだもん』
そう膨れながら鞄の中に出した物をしまう。
「んー…じゃあ食堂で買ってきたら?おにぎり売ってるんじゃない?」
『そっかぁ!!さっすがあたし♪じゃあ行ってくるー!!』
「…ちょっと待て、今自分を褒める場所1つも無かったよね」
早速、財布を握りしめたあたしは、ぶつぶつ呟く希美に手を振って教室を出た。
おにぎりかぁ。何味がいいかなぁ?
わくわくしながら食堂に向かう途中、あたしは足を止めた。
『ここ、通ったほうが早いよね』
入学して1ヶ月。学校の敷地内であたしが知らない所は無い。
あたしは食堂への近道を通ることにした。
近道とは、中庭のこと。
今あたしがいる所と食堂との間にちょうど中庭があって、普通に行くよりも中庭を通って行ったほうが早い。