眠り姫は・・・男の子!?


「じゃあな、俺はお前と違って暇じゃないんで」

『あたしも暇じゃない』

「はいはい」


そう言ってあたしの横を通り過ぎようとする叶を頬を膨らませながら睨んでいると…


気づいた。


『あ!!アイス!!それあたしのアイスー!!』

「ぐえっ」


急いで叶の服のフードを引っ張った。


あっぶな!!


買われるとこだったー…。


はぁ…。とあたしは安心した表情を浮かべたあと、叶に笑顔を向ける。


『そのアイス返して?』

「は?」

『それあたしのだもん』

「…被害妄想もほどほどにな」


そう言いながらレジに行こうとする叶の服を掴む。


「おい、服伸びんだろ。離せ」

『やー!!』

「やじゃねぇよ!!」


あたしの手にそのアイスが戻ってくるまで離さない!!


< 49 / 129 >

この作品をシェア

pagetop