眠り姫は・・・男の子!?
強い風で、いつもは気にする髪の乱れも気にしないほど、あたしの視線は釘付けだった。
――ドクン…
…胸が高鳴ったのが自分でも分かった。
大きな木に近づくにつれ、はっきりする1人の生徒の姿。
『可愛い…』
大きな木の下で眠っていたのは、天使のような寝顔の可愛い女の子。
さらさらなハニーブラウンの髪は、太陽の光でキラキラ輝いている。
くるんとカールになっている長い睫毛。
白くて、透明感のある肌に対照的な薔薇色の唇。
な、なんなのこの女の子…。
……どこかの国のお姫様みたい。
まさしく、眠っている姿は眠り姫……。
『あ、あたしの方が可愛いもん!!』
ついつい女の子を上から見下ろして叫んでしまった。
世界で1番可愛いのはあたしだと思ってたのに!!
…はっ!!
…いやいやいや、今もあたしが世界一可愛い!!
でも、この女の子がいたらあたしの立場が危ないんじゃない…!?
『一生起きないでー!!』