眠り姫は・・・男の子!?


チラッとあいつを見れば、りんごみたいに頬を赤くし、


金魚みたいに口をぱくぱくして俺を見てる。


『取ってやったんだから一口食わせろ』

「………え!?」


俺は返事を聞く前にあいつの腕を掴んでクレープを引き寄せた。


「…!!…ちょっ…、」


――ぱくっ。


俺は一口食べたあと、至近距離にいるあいつをちらりと目だけを動かして見上げた。


『うまいな、リンゴクレープ』

「…ばっ、馬鹿じゃないのもうっ!!」

『ん?イチゴクレープは食わせねぇぞ?』

「そういうことじゃなくて!!……間接き、す…またしちゃったじゃんっ」

『…………あ、』


言われた瞬間に思い出した。


確かー…夏、アイス食ったときもそんなことあった気が…。


『……』

「……」


じわじわ、じわじわ。と顔に熱が集まってくるのが分かる。


……また、やっちまった。


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