眠り姫は・・・男の子!?


俺はちらりと横目であいつを見た。


…どうすんだよ。


希美の誕生日プレゼント買いに来ましたー。って言うのか?





…ないだろ、それは。


「えぇっ、とー…」


言葉を濁らせて、困った顔をするあいつが、助けを求めるように俺を見る。


……あ?


無理無理。全然いい理由思い浮かばないもん。


そんな意味を込めて、ぺろりと舌を出し微笑めば、ガクッと肩を落とすあいつ。






「…あ。もしかしてデート?ごめんごめん。空気読めなくて。では、邪魔者は消えまーす」

『「………え?」』


その言葉に驚き、2人で希美を見上げる。


そんな俺達にニヤリと悪戯そうに微笑んだ希美は、くるっと向きを変えて行ってしまった。


「希美ーー!!違うよっ、誤解だってばー!!」


そんなあいつの叫びも虚しく…、完璧に誤解されてしまった。


やれやれ…。


「叶!!なんで呑気にクレープ食べてんのよー!!」


まぁ、なんとかなんだろ。


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