眠り姫は・・・男の子!?
「まぁいいや。遅刻しそうだし、早く行こーぜ」
ふっ、と優しく微笑んだ純は、あたしの手を引いて歩き始めた。
「姫宮も。早く来いよ」
少し歩いたとき。くるっと後ろを向いた純は、立ち止まって目を伏せている叶にチョイチョイと手招きした。
…あ。優しくなった。
そんな変化に口を緩ませながら視線を叶に移す。
数秒。動かないまま、ちらちらとあたし達を警戒したあと、
とことこと大人しく駆け寄ってきた。
駆け寄ってきたと思ったら無言であたしと純の間に入って来た叶。
『叶、なにしてんの?』
驚きながら首を傾げて聞けば、今度は純の手をぎゅっと握りだした。
「…お?これ、どんな状況?」
ふはっ、と笑いながら微妙な表情で握られている手を指差す純。
「俺が西崎と手繋ぐから、…お前は西崎と手繋いじゃ……ダメ、だからなっ」
そう頬を膨らませて言った叶は、純を引っ張って行ってしまった。
…えぇぇーーー……、