紅芳記
「姫さま!
一体なにを考えておられるのですか!?
いつもいつも突然お屋敷から抜け出されて…!
忠勝様や奥方様がご心配いたしましょう!
いつかは申し上げようと思っておりました。」
私には返す言葉もありません。
「すみません…。」
私は素直に謝りました。
「いえ、私こそ、無礼をいたしました。
お許しくださいませ。」
「いえ、良いのです。
それより、今日は甘いものが食べたいの。
いいお店を知らないかしら。」