紅芳記
弐.徳川の姫君
その日から数日、私は正式に徳川家の養女…姫となりました。
養父にあたる家康さまは、おっとりとしてとても親しみやすそうな方なのですが…。
心の奥底では人を嘲笑っているような気がしてどうも好きにはなれません。
ただ、これからは義父上として大切なお方となることは間違いないでしょう。
家康さまは私に新たに名を与えてくださいました。
本日より、私の名は小松(コマツ)です。