彼にお料理
爆弾投下
午後6時。私は帰ろうと自分のデスクの上を片付け始めた。
「舞ちゃん帰れる? 今日も定時過ぎちゃってごめんね」
かわいらしく首を傾げて話し掛けてきたのは、社長の奥様の美由紀さん。
私より10コも年上の30才にはとても見えない可憐でかわいい人。
ここは有名なオフィス街にある会社だが、社長と奥様の美由紀さんと私を入れても10人しかいない極小企業だ。
でも、何をしてもおっとりとしていると言われる私にはちょうどいいし、加えて人間関係も良好でとても居心地がいい。普段は美由紀さんと2人で事務職をしている。
「は~い。帰ります。私も今日は予定があったんで、この時間の方が都合が良くて助かりますから心配しないで下さいね」
と返せば、「デート?」なんて返される始末。
私も照れながら「はい」と答えつつ、新しく買ったお気に入りのバッグを肩に掛け、笑顔の美由紀さんに見送られながら事務所を後にした。
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