彼にお料理
美由紀さん
次の日から翔太は普通に連絡はして来たけど、仕事が忙しいみたいで、木曜日まで会わない日が続いていた。
会い辛い私にとっては好都合だったけど、反対に気持ちはどんより沈んでいった。
今日の仕事も終わり、デスクを片付けていると、前に座っている美由紀さんが、
「今日、あの人接待なのよ。舞ちゃん、良かったらご飯行かない?」
社長いないんだ。
気分転換したかった私は二つ返事でOKした。
「はい。是非!」
美由紀さんもあっという間に片付け、
「前から一度、舞ちゃんを連れて行きたかったんだ。美味しい物食べようね」
と、何ともノリノリなご様子。
そんな美由紀さんを見ていたら、落ち込んでいた私も少し元気になってきて。
「どこ連れて行ってくれるんですかぁ。楽しみ」
「ふっふふ。内緒。ついてきなさ~い」
2人はキャピキャピ言いながら、夜の街に向かって歩き出した。