彼にお料理
連れて行って貰ったのは、ちょっと敷居の高い高級料亭だった。
「えっ…」
ちょっと気後れ気味な私に気付いたのか、美由紀さんさんが…
「なに、緊張してるのよ」
「ここ、私の実家なの。だから気にせずど~ぞ」
舌をペロッと出した美由紀さんは、何ともお茶目だ。
実家…って。
驚きすぎて言葉が出ないとはこの事を言うのね。さすが社長夫人、お嬢様だったんだ。
私は多少引きつりながらも、でもだんだん緊張は解けて来て、個室へ案内される美由紀さんの後に続いて歩いた。