彼にお料理
今は車の中。
翔太に会社の下まで迎えに来て貰って、私とホットプレートを乗せてもらった。
車に乗っても、あまり翔太は話さなかった。
でも…、
「行きたいとこがあるんだけどいい?」
珍しく翔太がどこかに連れて行ってくれるらしい。
「うん。どこに行くの?」
まだ気まずい雰囲気を少し残したまま、私たちは夜の街を走り出した。
着いた場所は、私たちが知り合った居酒屋だった。そう私たちはいわゆる合コンで知り合い、意気投合して、その後付き合い始めたのだ。
「懐かしい」
「あれっきりだもんな。でも今日はどうしてもここに来たかったんだ」
「うん。私もうれしい」
私たちは居酒屋のテーブル席に案内されて、焼き鳥やだし巻き卵に唐揚げ、サラダを頼んで、飲み始めた。
お酒も少し入ったので、私はホワホワした気分の中、喋り出した。