彼にお料理
2人で


あの日を境に、私は無理をしなくなった。苦手な物は"苦手"と言えるようになったし、格好つけなくても、自分らしく出来るようになった気がする。

あの次の日、私は翔太に一番得意のチャーハンを作ってあげた。

私のチャーハンは、玉ねぎとミックスベジタブルと卵とシーチキンで作る。シーチキンの油を料理油として使うのがポイントだ。

見た目は普通だけど、味には自信がある。出来たてのチャーハンをテーブルに乗せた。

「おまたせ」

「お!うまそうじゃん」

「食べて食べて~
私ね、ママがいないお昼とかによく作るんだ」

「どう~?」

「うん。うまいよ。なんだ~、こんなにうまいの作れるんじゃん」

「へへへ…、誉められるとうれしいね」

私は最初から自分らしくすれば良かったんだ。
チャーハンで良かったんだ。変に背伸びしなくて良かったんだね。

2人でパクパク、あっという間に完食した。

「今日のはお醤油味だけど、今度はケチャップ味にして、オムライスにしてあげるね」

「これも1人の時によく作るんだ」

「オレ、オムライス大好き。楽しみにしてるよ」

「うん。まかせて」

私は幸せを噛み締めた。

無理をしないのっては、とっても大事な事なんだね。

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