彼にお料理


最近出来た、話題の和食屋さんは、古民家を移築した建物で落ち着いた雰囲気のステキなお店だった。

お値段もお手頃価格で、若い女性に話題のスポットなのも納得。

「これめっちゃ美味しい」

「ホントうまいな」

私たちは、頼んだ『秋のおすすめ御膳』の中にあった"栗おこわ"を口に入れて、甘い季節の味を堪能中。

翔太とたわいのない会話を楽しんでいたが…、

翔太がふにゃっとかわいい照れた笑顔をしながら、私に爆弾を落とした。

「舞~、今度の土曜日オレんちでご飯作ってよ!」

「えっ!!」

正直、私は料理が苦手だ。…と言うかあまりやった事がない。

簡単な物、チャーハンとか焼きそばとかなら作れるけど…、ねぇ?

どうする私?

頭の中をフルスピードで動かして考えていると、翔太が「ダメ?」と上目使いで聞いて来た。

こいつは、ホントに8コも年上か!と思うくらい甘え上手だ。

私は観念して、「うんOK」なんて答えてた。

さぁ、どうしましょ。
今日が木曜日だから、もう明後日だよ。帰りに本屋に寄ってかなきゃ。


あ!帰りは送ってもらうから無理か。後でコンビニ行って来よう。私は黙々と心の中で考えていた…


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