彼にお料理


ハンバーグを盛り付けて、炊飯器からご飯をよそう時、第一の事件は起きた。

な、なんで?
ご飯が水っぽい。
ぐちゃくちゃだ。
まずそう…

それに気付いた翔太が、私の顔を覗き込んで、
「食べてみたら美味しいかもしれないじゃん」
…て言ってくれたんだ。

「とにかくよそってみな」

「うん…」

ぐちゃくちゃご飯を茶碗によそり、ハンバーグを用意した。

2人でテーブルに座って食べる事になった。

私はご飯は失敗しちゃったけど…、ハンバーグは大丈夫なはず。まだ楽天的だった。

「「いたたきます」」

2人で挨拶を済まし、
食べ始めた。

うっ…、ご飯まずい。
水分が多いせいで味がしない。しかも魚臭い。

ハンバーグは?
えっ???
お箸で切ってみたら中はまだ赤くて生だった…

さすがに食べられない。

"うっ…、うっ、うぇ~"

私は翔太の顔も見れずポロポロと泣き出してしまった。

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