零の狼-新撰組零番隊-
『ところで春夏秋冬』

躑躅森組長が言う。

『任務を終えたばかりで悪いが、一つ頼まれてくれるか』

「……」

私は無言のまま続きを促す。

組長も私の無言を肯定と取ったのか、用件を述べた。

『零番隊に新入隊士が一名入る。その隊士の迎えと教育を頼まれてもらいたい』

「…新入隊士…」

小さく呟いてみる。

…時折、零番隊には新しい隊士が加入する事がある。

古参の隊士さえも零番隊の隊士の総数は正確に把握していない。

入隊のタイミングも不定。

欠員…即ち殉職隊士が出た時や、単純に戦力増強の為だったり、時には組長しか入隊目的を知らされていない隊士が参入する事もある。

総じて言える事は、皆何らかのプロフェッショナルであり、新撰組零番隊の思想に共鳴し、躑躅森組長に心酔して入隊を決意した者ばかりだという事だ。


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