零の狼-新撰組零番隊-
しばらく歩くと、古びた社が見えてくる。

躑躅森組長の言っていた神社。

こんな都会の真ん中、歓楽街には不似合いな、小さな小さな神社だった。

…このような歓楽街で、ここに参拝する者などいるのだろうか。

そうでなくても既に深夜。

境内に人の姿はない。

成程、密会にはうってつけの場所という事か。

無言のまま敷地内に入る。

…片手は懐の小太刀の柄にかけたまま。

特に緊張する事もなく。

しかし、一本だけ警戒の糸を張ったまま。

私は神社の奥へ、奥へと進んでいく。

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