零の狼-新撰組零番隊-
こんな得物を手にしているとは、この男はヤクザ者だろうか。
ただのチンピラにしては、身に纏う空気が違う。
堅気を脅迫して小銭をせしめるような小者にはない、『本物』の凄みのようなものが感じられる。
「貴方は…何者ですか」
抑揚のない声で問いかける。
「月並みな台詞で返した方がいいのかい?」
ニヤリと笑みを浮かべる男。
成程。
人に名前を尋ねる前に自分から名乗れという事か。
しかし私は非公式の部隊の隊士だ。
おいそれと名乗る訳にはいかない。
素性も知れない人間が相手ならば尚更だ。
ただのチンピラにしては、身に纏う空気が違う。
堅気を脅迫して小銭をせしめるような小者にはない、『本物』の凄みのようなものが感じられる。
「貴方は…何者ですか」
抑揚のない声で問いかける。
「月並みな台詞で返した方がいいのかい?」
ニヤリと笑みを浮かべる男。
成程。
人に名前を尋ねる前に自分から名乗れという事か。
しかし私は非公式の部隊の隊士だ。
おいそれと名乗る訳にはいかない。
素性も知れない人間が相手ならば尚更だ。