零の狼-新撰組零番隊-
第二幕
逆手に握った小太刀を構え、左手を大きく突き出して間合いをはかる。
腰は低く落とす。
対する男は、長ドスを抜きもせず、棒立ちのままだった。
「……」
『抜かないんですか?』
視線のみで、男に訴えてみる。
男は私の視線を軽くいなす。
薄笑みすら浮かべて。
まぁいい。
この男が抜かずに斬られようが、抜いて斬られようが、私には関係のない事だ。
新入隊士との待ち合わせの場に居合わせた。
そして新撰組零番隊隊士である私に刃を向けた。
私がこの男を斬る理由は、それで十分だった。
腰は低く落とす。
対する男は、長ドスを抜きもせず、棒立ちのままだった。
「……」
『抜かないんですか?』
視線のみで、男に訴えてみる。
男は私の視線を軽くいなす。
薄笑みすら浮かべて。
まぁいい。
この男が抜かずに斬られようが、抜いて斬られようが、私には関係のない事だ。
新入隊士との待ち合わせの場に居合わせた。
そして新撰組零番隊隊士である私に刃を向けた。
私がこの男を斬る理由は、それで十分だった。