零の狼-新撰組零番隊-
声もなく。
私は一気に男へと駆け寄った。
∞(無限大)を描くように、右手の小太刀を振り回す!
ヒュン、ヒュンと、空気を斬るような音を立てる刃。
私は微かに舌を打つ。
空気を斬る、即ち私の剣は、ことごとく男に回避されているという事に他ならなかった。
後退しながら、上体をのけ反らせながら、私の斬撃を巧みに回避する男。
私はクルリと体を反転させ、遠心力を利用した逆手持ちの刺突を放つ!
これすらも、男はバック転でかわす。
身軽だ。
だが回避するだけならば下がればいい事。
それを敢えてバック転でかわす辺り、まるでからかわれているような気がして不愉快だった。
私は一気に男へと駆け寄った。
∞(無限大)を描くように、右手の小太刀を振り回す!
ヒュン、ヒュンと、空気を斬るような音を立てる刃。
私は微かに舌を打つ。
空気を斬る、即ち私の剣は、ことごとく男に回避されているという事に他ならなかった。
後退しながら、上体をのけ反らせながら、私の斬撃を巧みに回避する男。
私はクルリと体を反転させ、遠心力を利用した逆手持ちの刺突を放つ!
これすらも、男はバック転でかわす。
身軽だ。
だが回避するだけならば下がればいい事。
それを敢えてバック転でかわす辺り、まるでからかわれているような気がして不愉快だった。