零の狼-新撰組零番隊-
男は左手に握った長ドスを、腰のベルトに帯びる。

そして、右手で柄を握り締めた。

いよいよ抜刀するか。

私は集中力を高める。

まずは一太刀目。

これを見切り、一気に反撃に転じる。

小回りでは私の小太刀の方が有利だ。

懐に入ってしまえば、あの長ドスでは対応できない筈。

一撃目を回避し、同時に飛び込む事に全てをかける。

そんな私を見透かすように。

「…俺のは凄いぜ…?」

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