零の狼-新撰組零番隊-
一撃の威力では一歩譲るものの、小太刀はその取り回しのよさで、手数を出す事ができる。

手数と速さで翻弄し、本命の一撃を急所に叩き込む。

それが私の剣術。

次第に男の受け太刀が遅れ始める。

やがては致命の一撃を、男の急所に打ち込む事が出来るだろう。

「御命…頂戴…」

私の小太刀に、鈍く『死の色』が宿る。

ビュン。

男の受け太刀の死角、下段。

切っ先が剥き出しの水月へと襲い掛かる!

その瞬間!

「参った」

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