零の狼-新撰組零番隊-
六郎面さんが立ち去り、その場には私と一七夜月さんのみが残った。

…確かに六郎面さんの言う通りだ。

躑躅森組長のお陰で、私は局中法度に触れる事なく、仇討ちを実行する事ができる。

任務を全うする事こそが、この恩義に報いる唯一の方法。

だが。

「祝」

突然、無言だった一七夜月さんが私の名前を呼んだ。

「七種雲母…六郎面は、さっきそう言ったな…?」

「……」

彼の言葉に頷く私。

…一七夜月さんの眼には、どす黒い炎が宿っていた…。



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