零の狼-新撰組零番隊-
どんなに神経を研ぎ澄ませても、感じ取る事のできない七種の気配。

やがて。

「!!!!!!」

ヒタリ。

私と一七夜月さん、それぞれの首に、冷たい三日月があてがわれる。

七種の、左右の鎌…。

「つまらん」

完全に私達の命を掌握して、七種は溜息を一つ吐く。

「お前達の前に俺を追ってきていた隊士…六郎面とか言ったか…奴の方が歯応えがあった。お前達の首はまだ刈る価値もない」

完全に首…頚動脈を捉えていた七種の鎌が退かれる。

「興醒めだ。新撰組零番隊の隊士二人が相手なら、愉しい夜を過ごせると思ったのだがな」

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