キミがいるから出来るコト
長い沈黙を破ったのは、遼だった。


男は答える。

「小学校の頃から好きだった」


「好きなら、どうして傷跡なんか、
 残そうとするんだよ」


「結城と沙紀さんが
 付き合ってるのを聞いて、
 『もう手が届かない』と思った。

 だったら、せめて…
 僕の事を忘れないように、
 どんな風にでもいいから
 覚えていてほしくて

 傷を残そうと思ったんだ」
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