君に逢いたくて
運動神経ないくせに。

俺が後から追いかける。


…が、間に合わなかった。

俺の目の前でみぃは吹っ飛んだ。
男の子を必死で押した。

でも、自分は完璧に間に合っていなかった…

「おい、みぃ!」

俺はみぃに駆け寄った。

血は流れていないものの、目は閉じたまま。
息の音も聞こえない。

必死になってとりあえず心臓マッサージをした。
人工呼吸も。

車に乗っていた人は、まともな人だったようだ。
しばらくして救急車が来た。

「なぁ、みぃ!起きろよ!みぃ…っ!」

救急車に乗せられながらも、みぃの手を握っていた。

プッ、プッ、プッ…

ゆっくりと音が鳴っている。

とりあえずは大丈夫らしい。

みぃが薄く目を開けた。
< 12 / 19 >

この作品をシェア

pagetop