君に逢いたくて
そう呼びかけると、
みぃはスカートの裾をふわりと揺らして振り向いた。

「どうしたの?真ちゃん。」

ゆるりと巻いた艶のある黒髪。
ちょっと猫目気味の大きな瞳。
長い綺麗にカールしたまつ毛。
小さな白い顔にそれらがおさまっている。

いつ見ても、美人だと思う。

高校に入ったばかりの頃…
遠恋になった彼氏と別れたって泣いていた。

浮気されていた。


そう言っていた。

男は嫌いじゃないみたいだけど、恋がイヤ。
なんて思ってたりしてたらマズいな。


「あのさぁ、みぃ。
俺とさ…


ほら、付き合ってみない?」

そう一気に言って、みぃの方を見ると、俯いていた。

ダメ…
なのかな?

ふ、と顔をあげたみぃ。

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