春夏秋冬〜*恋巡る季節君と一緒に*〜





「尚紀くんが菜々子と喧嘩した理由…記念日を忘れてたって…だけど私には、記念日を尚紀くんが忘れてたように感じられなかった…ほかに理由があるんだよね?」



夏の公園は蒸し暑い…額からゆっくり汗がにじむのがよくわかる。



セミの鳴き声は、私の質問の答えを焦らせる。





「…うん……実はさ………」





答えを話しだしてくれた尚紀くんの顔つきは、いつになく真剣で…なにかを決意しているようにも見えた。





「俺その日、菜々子のご両親の墓参りに行ってきたんだ…今の俺の気持ちと、これからのことについて伝えてきた…」









-
< 61 / 235 >

この作品をシェア

pagetop