さくらさくら
「そういえば…」

「何でしょう」

「あなた、勉強できるの?」

私は顔をうつむき

「いえ…貧乏だったので学校に行かせてもらえませんでした…」

奥さまは私の肩にそっと手をのっけると

「失礼なことを言ってすまなかったね。良かったら学校に行かせてあげるわよ」

私は手をブンブンと振ると

「いえ!こんなきれいな着物をもらったうえに学校だなんて…大丈夫です」

奥さまがいなくなった後、ため息をついた。

本当は行きたいけどそこまでしてもらったら申し訳ない…

と火をじっと見ていた。
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