さくらさくら
水泉様は私の後ろに回り

「前向いてて」

私の髪をなで梳き始めた。

ドキッ

水泉様の指が私の肌にあたって私の顔は赤くなる。

「お前の髪、すごいさらさらだな」

「いえ、そんなことないです」

水泉様は私の髪を少し持つと紐でよわき始めた。

「組みひも。お前のために買って来たんだ。女の子らしい桜色。水蓮が何と言おうと俺は諦めねぇから」

ドキッ

水泉様は私の頭の後ろに手を置き引き寄せ私は水泉様の胸におさまった。

しかし私は逃げなかった。

もうどうなってもいい…私は水泉様のことが好き…

「…です」

「えっ…」

「好きです…」

水泉様は優しく抱きしめた。
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