さくらさくら
「奥さま、水蓮です」

「どうぞ」

私は部屋に入ると奥さまは大きなつづらをだして待っていた。

「これをあげようと思って」

着物を脱がせると新しい着物を着せてくれた。

淡い青に水蓮の花が描かれている着物。

「あなたと同じ名の花がついた着物よ。私が子供のころきていたものなの」

「も、もらえません!こんな大事なもの」

「きれいよ。今日からこれを着てね」

「ありがとうございます!!」

私は涙が出そうになった。
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