リクエストを基にした・【Kiss】シリーズ 『純愛』・2
わたしは棚を見上げ、少し高い所に飾ってあるヘアピンを指さした。

「アレなんてどうかな?」

ピンク色のラインストーンで作られている2つセットのヘアピン。

「ああ、アレだな?」

彼は背後からわたしに覆いかぶさるようにして、背伸びをして、ヘアピンを取った。

…その時背中に感じた彼の体温と匂いに、心臓が痛いぐらいに高鳴った。

「…ああ、良いんじゃないか? コレにする?」

「うっうん。それにする」

彼は嬉しそうに笑った。

わたしの赤くなる顔に、気付かぬまま。

彼女へのプレゼントと一緒に、ラッピングまで頼んでくれた。

「ほらよ」

「ありがと。嬉しいわ」
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