蜘蛛女の恐怖
~第一章 母の葬儀~
私は霜月 弥生(しもつき やよい)。

中学3年生のごくフツウの女の子。

つい最近までは、お父さん、お母さん、それから
中学1年生の妹の皐月(さつき)とで、仲良く暮らしてた。

でも、先日、お母さんが死んでしまった。

ベッドの中で、苦しそうに顔をゆがめて。

まるで毒でも飲まされたかのように。

お母さんは前から具合が悪くて、よく部屋で寝込んでいた。

でも、いきなり死んでしまうなんて。

最後に会ったのは、死ぬ3日前にお母さんの部屋で手を握ったとき。

私はとても悲しんだ。

いつもはあまりなかないけれど、

みんなの前で皐月と共に泣き崩れた。

優しかったお母さん。

どうして死んでしまったの?

お母さんが自殺するはずない。

だとしたら―――殺されたの?

誰に?どうして?

非力な私には、わからない。でも知りたいよ。

今日はお母さんの葬儀。
真っ黒いワンピースに身を包み、黒のリボンで髪をツインテールにして出かけた。

皐月も黒のパフスリーブのブラウスに黒いスカートを着ている。

そしてきてくれた皆さんにあいさつをして、
お葬式が終わった後、お父さんを帰らせて私は皐月とその辺りを歩くことにした。

2人とも低めのヒールの靴を履いている為、歩くたび小さなコツコツという音がする。

しばらく歩き続けたが、二人とも何も喋らずに沈黙が続く。

やがて、皐月の口がゆっくりと開いた。

皐月「お姉ちゃん・・・お母さんはどうして死んだの?
   私悲しいよ!あんなに優しかったのに・・・
   う・・・っうあああああ・・・っん・・・・・!」

私の口からなぐさめの言葉が出る前に、皐月が胸に飛び込んできた。

皐月の目から涙が零れ落ちる。

いろんな感情がぐちゃぐちゃになって、私も皐月を抱き締めたまま泣き出した。

二人で、たくさん泣いた。お互いの気が済むまで。

でも・・・どうしてお母さんは死んでしまったんだろう?

わからない。

なら・・・・調べてみよう!

濡れた瞳をハンカチで拭いて、手をつないで家に帰った。









 
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