AIR
女の子がいなくなっても、悠斗くんはずっと中庭にいた。
そんな悠斗くんに思わず見とれちゃって。
悠斗くんを見てると、透明な気持ちになれる。
……なんでかな?
「………おーい、麻由。何にやけてんの。」
「えっ?」
隣で急に声を発した咲によって、私は我に帰った。
「にやけてないよー。」
「いや、にやけてた!1人で“ふふっ”とか言ってた。」
「え、ないない!言ってないー!」
……確かに悠斗くんを見てると自然に笑顔になっちゃう。
恋ってそんなもんじゃないかな…?