AIR
「じゃあね、麻由ちゃん。」
「あっうん、またね!」
小さく手を振って、悠斗くんに別れを告げた。
ちょっと寂しいかな…
「まーゆーっ!」
遠くから咲が走って来た。
「咲ーっ!」
「ハァハァ…あんた、ここいたの…。学校の周り、商店街多いから探したんだよっ!」
あ、そうでしたね…
学校の周り、商店街多いんだったよ…
「ごめんごめんっ!」
「ほんとだよ…ってあんた、なんかニヤニヤしてるよ。」
「してないよー。」
いや、絶対してる。
自分でもわかる。
「いいことあったんでしょ?」
「へへっまぁねっ。」
てか、あんたジャージ!とか咲が言ってたけど、そこはスルー。
「ねぇ咲っ!」
振り向いたら、夕日があたしを応援してるみたいに輝いていた。
「あたしっ、悠斗くんのこと絶対諦めないっ!」
―やっぱり、あたしは悠斗くんのことが
好きで
好きで
好きすぎてたまらないみたいです。