AIR
私はウキウキ気分で、朝の出来事を咲に話した。
「ふーん、よかったじゃん。」
………軽く流された。
結構ショックなんですけど。
「あ、そういえばさ。」
机から降りて、咲が続けた。
「あの雨の日にあんたが着てたジャージ。あれ、誰の?」
ジャージ……?
雨の日………?
「あああああっ!!!!!!」
私は勢いよく椅子から立ち上がった。
いや、無意識に立ち上がった。
「なんだよっいきなり!鼓膜やぶれるっ!」
「返すの忘れてたああぁっ!」
もう貸してもらって、1週間が経つ。
とっくに洗濯は終わっているが、まだ返していなかった。
「わっ私返してくるっ!」
ダッシュで教室を出た。
後ろで咲が何か言っていたけど、気にしない。
あーもうっ…
1週間も遅れるなんて…
だらしない子だと思われるーっ!