AIR
あっという間に時間は過ぎ、もう帰り。
「咲、かーえろ!」
「うん。あんた、立ち直り早いね。」
ポジティブなのが取り柄ですから。
咲と会話をしながら、階段を降りていった。
「麻由、あれ悠斗くんじゃない?」
咲は階段の窓から見える、中庭を指して言った。
「あ、ほんとだ!」
悠斗くんの前には女の子。
たぶん告白の真っ最中だろう。
「オッケーするのかなぁ…」
なんて考えていたら、その女の子は泣きながら走っていった。
きっとフラれたんだろう。
「あーまたフってるよ。モテる男は辛いねぇ。」
咲はそう言うと、階段をすたすた降りていった。
あたしはと言うと、夕日で赤く染まった悠斗くんを眺めていた。