AIR
「じゃあね!」
悠斗くんに手を振って、教室まで戻った。
「まーゆー、あんたどこ行ってたのよ。」
教室のドアを開けると、咲がドアの前で仁王立ちして私を待っていた。
こ、こわいっすよ咲さん……
「あ、えと…悠斗くんのところに……」
「あーやっぱり?あのジャージ、悠斗くんから借りたんだ?」
私は何でもお見通し、みたいな表情ですね咲さん。
「うん、まぁ……ねっ。」
「うわーあんたいつの間にそんな仲良くなったのよ!」
「…………雨の日?」
雨の日。
あの日から私は雨が好きになった。
「あーあの時ね。」
咲は納得したみたいで、一人でうなずいていた。