AIR
―ガンッ
「いった!!!」
「だ、大丈夫麻由ちゃん!?」
どうやらボーッと歩いていたら、
標識に激突したみたい。
悠斗くんの前でこんなドジするなんて……
あぁっもうちょー恥ずかしいっ……
恥ずかしさのあまり顔を手で覆って、下を向いてた。
そしたらいきなり手が顔の前から退かされて
「大丈夫?」
至近距離に、悠斗くんの顔が現れた。
暗くて表情はよく見えない。
な、泣いてると勘違いされたのかな……
「大丈夫っ!私、これぐらいじゃめげない子だからっ!」
ガッツのポーズをとってみた。
悠斗くんに心配かけらんないし…
「そっか、麻由ちゃん強いもんねっ!!」
…いつもの悠斗くんの声だ…
私は何か知らないけど、笑顔になった。
きっと悠斗くんには見えていないけど。