AIR
「たっだいま〜。」
「おう、姉ちゃんおかえり。」
たいてい家に帰っても誰もいないのだが、今日は生意気な弟がいた。
「なんだ誠、帰ってたの。」
今日は部活早く終わったから
とか言って帰ってきたらしい。
どうせさぼりだろ。
「なんだよ姉ちゃん、随分とご機嫌だな。」
「なんでわかんの。」
そりゃそうか。
顔ニコニコさせながら、鼻歌歌ってんだもんね。
「見りゃわかる。」
ふーん、と適当に返事を返し、自室へと向かった。
「あーなんて最高な日なんだろう!」
今日を振り返っただけで、顔が自然と緩む。
そりゃ朝はフラれて落ち込んでたけど…
終わりよければいいんだからっ!
影が薄いとか気にしない!
あたしだって、やればできるはず!
と、気合いを入れた。
「姉ちゃんうるさい!」
下な階から弟が叫んだ。
あれ、あたし声に出してた?
…それも気にしない事にしよう。