俺様男子と同居中。
母が指した先の時計は2時56分。約束の時間は3時。

 えぇ!??ギリギリじゃん。遅れたらさすがにまずいよね?

「・・・もう!お母さんの馬鹿!!先行ってるからね!」

 階段を急いで下りてリビングに向かう。

 この家ってこういう時不便なんだよね。大きいからリビングまでが遠い!
 着いた!ほっと息を吐き、ドアを開ける。
 そして思わず目を見開く。ソファーには見慣れない人が座っていた。
 わぁ・・・・・・。すごい格好良い人。そこらのアイドルやモデルより全然格好良い!
 って、じゃなくて、もう来てるの!!?

 入ってきた私に気づいて、父が声を掛ける。

「おぉ、雨美。この子がお前の婚約者になる予定の黒城翔君だ」

 そう言って、目の前のあのイケメンを示す。
 その言葉にイケメンこと翔は頭を軽く下げた。

 格好良い!

 でも、やっぱり私は親が決めた相手なんて嫌!自分が決めた人が・・・・!

「おと・・・・」

「それでな、雨美。康ちゃん達が早く来たから先に話してたんだが」

 康ちゃんとはどうやら翔の父のことらしい。
 そこからは父に康ちゃんと呼ばれている、黒城さんが話しを引き継いだ。

 さすがにあの息子の父というだけあって渋いおじ様って感じ。

「私等年寄りが話してもなんもならんな、ということで後は若いお二人さんに任せるよ」

 え・・・・・・?
 そういうと、二人は立ち上がり、リビングから出て行く。

「じゃぁそういうことでな、雨美、翔君」

 セリフを残してドアがバタンと閉まる。
 嘘。ふ、二人きり??





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