俺様男子と同居中。
 そういうことでじゃないよお父さん!?

 戸惑いながら恐る恐る少し近づき、翔に話しかけようとする。

「あ、あの・・・・ひゃっ!」

 が、
 いきなりぐいっと引き寄せられて奇声が発せられる。
 うぅ。変な声出た。

 文句を言うつもりで顔を上げると、私の肩の上には翔の腕が回り、顔がすぐ近くにあった。しかも翔の膝の上に体は乗り上げていて、思わず顔が赤くなる。

「ちょ、ちょ、ちょっと・・・!は、離して!!」

 声が裏返って出てくる。それと一緒に手でぐいぐいと胸を押すのだが、そんなことはお構いなしでさらに顔を近づけてくる翔。

「嫌。あんた俺の婚約者なんだろ?」

「それは・・・親が勝手に決めたことで・・・。大体!まだ予定のはずだよ!」

「ふーん。あんたは嫌なんだ?」

 翔は見下ろすように私も見て、口元を少し上げる。な、なんか企んでる??

「い、嫌だ、よ」

 ゆっくり躓きながら返事をする私。だが次の瞬間、思考が停止した。「ちゅっ」という軽い音と共におでこにキスが降ってきたからだ。

「へ・・・・?」

まぬけに口を開く私。
翔はゆっくりと私から顔を遠ざける。

「何?もっとして欲しい?」

その言葉に一気に意識が戻り。慌てて否定する。

「い、嫌!!!!何するの!!!????」

「なにって・・・・でこちゅー」

「そういうことじゃなくて!!」






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